海外で薬剤師として働く

海外での薬剤師の特徴・実情

キャリアアップを目指して海外で薬剤師として働きたいという人もおられると思います。
実際、海外へ飛び出し活躍している薬剤師もたくさんいますので、これから目指すという人は実情等をきちんと把握しておくことが大切です。

海外で薬剤師として働く場合には、日本の薬剤師の資格だけで通用することはまずないと考えておきましょう。
その為、渡航する予定の国の資格試験に合格して薬剤師の免許を取得しなければいけません。
しかしながら、国によって薬の使用について、法律や規制が異なる上、その国の国籍を所有している事が条件になっている場合もあり、受験資格すらないこともあります。
外国人でも受験が可能であれば、その国の薬事法等を理解していることで合格できる可能性が高くなりますが、専門用語もたくさん出てきますので、相当な英語力が必要になってきます。

海外での薬剤師の資格がなくても、留学生や研修生を受け入れる制度を利用して派遣先で薬剤師として研究を行うことも可能です。
薬の調剤はできませんが、研究者としては大学に就職するという道も開けます。
ただし、留学や研修の場合でも、ある一定の条件が必要となることがありますので、その制度の条件等、正しい最新情報を確認しておくことが重要です。
例えば、アメリカの一部の州では、インターンの為の試験合格、オーストラリアでは、学歴や臨床試験、英語力が条件となっています。

海外で求められる語学力のレベル

海外で薬剤師として働く為には、観光ではなく、その国の標準かそれ以上の語学力が求められます。
英語の場合には、世界標準の英語能力試験TOEFLでは550点以上が望ましいとされ、また、英語が母国語でない人を対象にしたコミュニケーションを測るTSE試験でもある程度の成績が必要となってきます。
日本人にとって高得点をとることは非常に難しいかもしれませんが、海外で働くと希望しているのであれば、こういった試験に挑戦し、よい成績をとっておくことは、よい就職先が見つかる可能性を広げてくれます。

海外で働くことのやりがい

実は、日本よりも海外の方が薬剤師の地位は高く評価されており、薬剤師として、さらなるやりがいを求めて海外で働くことを目指す人が年々増えています。
例えば、アメリカでは薬剤師は「最も信頼される職業」と位置づけされていて、その社会的地位もさることながら、平均年収も1000万円を超えています。
社会的に頼られる存在であると認識していますので、専門性やコミュニケーション能力も高めようと努力を惜しみません。

このように、海外と日本では同じ薬剤師でも事情が異なりますが、海外での経験を積むことはとても貴重な経験になります。
より高いレベルの環境におくことは、自分自身の成長にもつながることでしょう。